日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
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シンポジウム『学力向上の視点を考える』
沖縄県の学力向上対策の経緯と現状及び課題等について
比嘉 信勝
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1992 年 7 巻 2 号 p. 39-41

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抄録

本県の学力向上対策は、沖縄の施政権が米国民政府から、日本国に返還されたいわゆる「祖国復帰」直後から、県民の世論によって開始された。復帰前から実施されていた日本政府による、沖縄の学生を国費で日本本土の国立大学に留学させる「国費留学制度」が、復帰に伴い段階的に廃止されることになったこと、また、琉球政府立の琉球大学が国立に移管されることによって、沖縄の高校生の入学率の問題、さらに、本土企業の進入等が予想され、人材育成が大きくクローズアップされるようになった。そこで、沖縄県教育委員会は県民世論にも応えて、復帰3年後の昭和50年に学習対策研究会を設置し、学力向上対策に着手した。昭和61年には、沖縄県学力向上対策委員会を設置し、ニ次に亘る答申を得て、昭和63年度に「学力向上対策主要施策」を策定し、学力向上を本県教育の最重点課題として位置付けて県民をあげた取り組みにすべく、強力に展開し、平成3年度は5年目を迎えている。本シンポジウムにおける「学力の視点」について、沖縄県教育委員会としては、昭和63年度から展開している「沖縄県学力向上対策主要施策」に掲げる目標・方針が「学力観」であり、その学力向上対策の経緯と具体的展開及ぴその成果を述べることとなる。

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© 1992 一般社団法人 日本科学教育学会
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