堆積学研究
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Spatial and temporal changes in distribution patterns of sheet-like turbidite sandstone beds and bed-sets in a forearc submarine-fan succession of the Miocene-Pliocene Kiyosumi Formation, Boso Peninsula, central Japan
Go-ichiro UramotoMakoto Ito
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2011 年 70 巻 1 号 p. 25-30

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抄録

房総半島に分布する上部中新統-下部鮮新統清澄層中部に発達するシート状タービダイトの単層解析を行い,単層と単層集合体の分布様式が時空間的な変化を示すことが明らかとなった.シート状タービダイト砂岩層の層厚で重み付けして求めた層厚重心の層序的な移動に注目すると,単層の累重では移動距離のばらつきの増減が2サイクル認められた.こうした単層の累重における層厚重心の移動パターンの変化は,清澄層の発達した海底扇状地システム内での単層の累重に伴う海底面の起伏の発達と起伏の埋め合わせによる海底面の平坦化の繰り返しに伴った,重心移動の自由度の周期的な変化を反映していると考えられる.加えて,こうした単層の累重過程の変化から,研究層準では,5つの単層集合体が識別された.単層集合体の累重過程における層厚重心の移動距離(平均0.68km)は,単層の層厚重心の移動距離(平均2.10km)に比べて短く,各単層集合体の累重過程においては,重心移動のばらつきが小さかったものと考えられる.

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© 2011 日本堆積学会
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