堆積学研究
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研究報告
半遠洋性泥の有機炭素沈積流量変化,最終氷期末期〜後氷期,南海トラフ沿い前弧海盆の例
大村 亜希子池原 研
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2014 年 73 巻 2 号 p. 121-135

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抄録

この論文では,南海トラフ沿いの前弧海盆周辺において,海底扇状地のタービダイトを含む堆積物と海底谷から離れた海盆底のタービダイトを含まない堆積物を対象に,半遠洋性泥に含まれる有機炭素の沈積流量変化に注目して,それらの堆積場による違いと時代変化を検討した.海水準変動の影響を受けてタービダイトの堆積頻度が変化する場所でも,タービダイトは認められず半遠洋性泥が連続して堆積したと見られる場所でも,半遠洋性泥に含まれる有機炭素の沈積流量は同様の変化を示した.すなわち,最終氷期最盛期末期には有機炭素沈積流量が大きく,陸源有機炭素の割合が比較的高い.後氷期以降には有機炭素沈積流量は小さくなりそのほとんどが海洋プランクトン起源の有機炭素であった.

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© 2014 日本堆積学会
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