堆積学研究
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潮汐作用と河川作用の相互作用によって形成された堆積構造
長崎県対馬対州層群下部層のデルタ成堆積物の例
中条 武司
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1998 年 48 巻 48 号 p. 13-20

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抄録

長崎県対馬に分布する対州層群下部層のデルタ成堆積物中の分岐チャネル堆積物には, 潮汐作用と河川作用の相互作用によって形成された堆積構造が認められる. それはマッドドレイプを伴う斜層理とフレーザー~レンズ状層理で, ともに潮汐流による間欠的な流れからの堆積を示している. しかし, 潮汐堆積物に特徴的である2方向性の古流向やフォアセットラミナの厚さに周期的な変化はほとんど認められない. これは分岐チャネル内において, 潮汐流の周期性が河川作用によって消されてしまったためであると考えられる.

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