土と微生物
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Nitrosomonas europaeaのヒドロキシルアミン-シトクロムc還元酵素によるヒドロキシルアミンからの亜硝酸の生成
徳山 龍明角田 修次
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1988 年 31 巻 p. 1-11

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抄録
N. europaeaのヒドロキシルアミンーシトクロムc還元酵素(NH_2OH-cyt. c還元酵素)活性画分を得,本画分によるヒドロキシルアミンから亜硝酸の生成について検討し,次のような結果を得た。NH_2OH-cyt. c還元酵素および亜硝酸生成の両活性を有する画分を,DEAE-sepharose CL-6Bカラムクロマトグラフィーにより得た。本画分f13はシトクロムと共存する画分であり,NH_2-OH-cyt. c還元酵素はDEAE-celluloseより得られたF.6画分よりさらに高い活性を示した。また,f13はF.6と同一酵素タンパクから成る画分であり,F.6よりも精製度の高いタンパク区分であった。f13のシトクロムは,ピリジンヘモクロム,および抽出したヘムの吸収スペクトルからヘムcであることが認められた。F.6,f13画分のsephadex G-100を用いたゲル濾過分画により,共に両酵素活性を有する各画分,P1,p1を得た。f13から得られたp1画分は,ポリアクリルアミドゲル電気泳動により,さらに5種類のタンパク質に分画され,両酵素活性はa3画分に存在した。a3画分はSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動によれば,分子量175,000と2つのサブユニットから成っていた。a3画分によるヒドロキシルアミンの酸化におよぼすシトクロムの影響について検討したところ,シトクロムcおよびシトクロムオキシダーゼ(シトクロムa)の添加効果が明確に認められた。すなわち,亜硝酸生成量は添加反応系が無添加反応系の100倍に達した。また,ヒドロキシルアミンの減少量と亜硝酸生成量との間には相関関係が認められた。一方,チトクロムcオキシダーゼを含有しない反応系では亜硝酸生成量は1/2であったが反応速度は3倍を示した。
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