土と微生物
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種々の冬作物の根に感染したアーバスキュラー菌根菌の群集構造
肥後 昌男磯部 勝孝前川 富也石井 龍一
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2011 年 65 巻 1 号 p. 3-10

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抄録

冬季に導入した種々の作物根に感染したAMFの群集構造の違いを明らかにするため,日本大学生物資源科学部附属農場(腐植質黒ボク土)において圃場試験を2箇年にわたり行った。2007年は11月にコムギを播種した11月播きコムギ区と4月にコムギを播種した4月播きコムギ区,ナタネ区の計3区を設けた。2008年はコムギ区,アカクローバ区,ナタネ区の計3区を設けた。両年とも冬作物の根におけるAMFの群集構造を調査した。2007年においては11月播きコムギ,4月播きコムギの根では共にGlomus属のAMFが共通して認められたが,Gigasporaceae科のAMFは4月播きコムギしか認められず,同じ作物でも播種時期の違いによって根に感染するAMFの群集構造が異なることが明らかになった。2008年では,コムギ,アカクローバの根ではGlomus属のAMFが共通して認められたが,Gigasporaceae科のAMFはアカクローバでしか認められなかった。本研究より,同一作物による播種時期の違いや栽培する作物の種類により根に感染するAMFの群集構造が異なることが明らかとなった。

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