2017 年 51 巻 6 号 p. 339-346
微量元素やビタミンは,代謝経路の要所において補助因子や補酵素として作用し,代謝全体を調節することで生命維持に寄与している.重症患者においては,その病態から酸化ストレスの増加が明らかになっているが,一連の炎症反応の引き金となる酸化ストレスを制御し得る抗酸化物質として微量元素やビタミンは注目をあつめている.このPharmaconutrition をいかに重症患者治療へと結びつけるかが基礎・臨床研究の両方面から模索されており,重症患者への投与は“是”とする意見が多い.しかし少なからず“非”とする意見もあり,今後の研究の展開が待たれる.