外科と代謝・栄養
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特集「消化器外科領域における手術部位感染(surgical site infection)を防ぐための 周術期代謝栄養管理」
―大腸手術―
内野 基池内 浩基堀尾 勇規桑原 隆一皆川 知洋楠 蔵人木村 慶片岡 幸三別府 直仁池田 正孝
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2022 年 56 巻 5 号 p. 176-180

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抄録

 手術部位感染 (surgical site infection : SSI) の危険因子の一つに低栄養があげられる. その改善により合併症予防が期待できるが, 単独でのSSI対策よりもケアバンドル対策の方が有効である可能性もあり, 周術期管理プログラムとして行われることも少なくない. 今回, 本邦の消化器外科手術におけるSSI予防ガイドラインのクリニカルクエスチョンをもとに大腸手術における周術期代謝栄養管理について再考した. 結果的には大腸手術に限定しても周術期管理プログラムはSSI予防に有用であった. しかし術前炭水化物負荷の有効性やその他の周術期栄養管理対策に関してはエビデンス不足により言及できなかった. 大腸手術では閉塞性大腸癌や炎症性腸疾患など低栄養状態である病態も存在し, 個々に合わせた対策が必要である.

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© 日本外科代謝栄養学会
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