低栄養は病後・術後の回復力を弱め,感染症や死亡のリスクを高める.高年齢では栄養サポートによる改善効果が低いことが臨床や実験動物で報告されており,低栄養状態に陥ったときの代償機構が働きにくい.そのため,高齢患者の栄養管理には特に注意が必要である.補給されたアミノ酸の代謝にはオートファジー活性やミトコンドリアの品質管理が重要であるが,加齢によりこれらの機能が低下し,活動・生存に必要なエネルギーが不足しやすくなると考えられる.
補中益気湯は病後・術後の体力増強に処方される漢方薬であり,高齢患者において免疫状態や栄養状態の改善作用が報告されている.本稿では,加齢と栄養の観点から補中益気湯の作用機序を概説する.