サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
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心サルコイドーシス重症化の要因と心不全治療の問題点
矢崎 善一関口 守衛
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1999 年 19 巻 1 号 p. 17-25

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抄録
ペースメーカーの普及や改良, 心室頻拍・細動に対する植え込み型除細動器の使用により, 心臓サルコイドーシス (以下心サ症) における現在の最も大きな問題は, 心機能低下の阻止と難治性心不全の管理である. 近年, 慢性心不全に対するαβ遮断薬の予後改善効果が証明され, また, 末期心不全に対して左室縮小形成術が施行されるなど, 心不全の治療体系に変化が生じている. 我々は, 23例の心サ症を詳細に分析し, 心サ症重症化の要因, および心不全治療の問題点について検討した. 重症化の要因1) 診断の遅れ: 完全房室ブロックにてペースメーカー植え込み後, 拡張型心筋症 (DCM) 様病態を呈し初めて心サ症と診断. 2) プレドニン維持量の問題点: 活動性心病変の再燃. 3) 僧帽弁閉鎖不全の出現. 治療の問題点4) 心サ症ではβ遮断薬を用いづらい: 伝導障害の頻度が高く, 線維化が高度. 5) サ症病変の分布: 前壁中隔を中心に障害が強く左室縮小形成術が施行しづらい.
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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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