サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
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心サルコイドーシスの難治性とHLA-DRおよび外因との相関についての検討
岸田 猛重松 信昭竹下 彰山本 健上川路 信博笹月 健彦岩里 正生
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2000 年 20 巻 1 号 p. 35-38

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抄録
サ症例の約半数にみられる難治性の要因とその病因的治療を, 心サ症9例を中心として検討した. 既報 (Chest, 1992) に続いて, 今回は内因につき, 心サ症症例とサ症例全般との比較において, 各例一対のHLA-DR型の組み合わせとして検討し, 心サ症ではSCW高応答性のDR型組み合わせが極めて高いことを認めた. さらにDNA typingより検討し, 心サ症を重・軽症2群 (WASOG statement 1999に準ずる) に分けると, 重症群ではSCW高応答性のアリルの組み合わせの高い傾向が考えられ, 軽症群では1例を除き, SCW高・低応答性アリル (Table 4) の組み合わせであった. さらに, IDDMについての検討に準ずる検索により, サ症ではSCW免疫応答性の高低がDRβ鎖57番目のアミノ酸残基の異なりによる可能性が示唆された.
外因の積極的除去ないし減少努力は, 重症心サ症例でも転帰改善に向わせ得ることを認めた.
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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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