サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
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急性呼吸不全を呈した肺サルコイドーシスの一例
谷澤 公伸井上 哲郎種田 和清田中 栄作加藤 晃史櫻本 稔前田 勇司寺田 邦彦大西 利明野間 恵之本庄 原弓場 吉哲小橋 陽一郎田口 善夫
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2003 年 23 巻 1 号 p. 57-62

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抄録

症例は27歳男性. 入院1月前に両側ぶどう膜炎による霧視を生じ, 10日前に左鎖骨上窩リンパ節腫脹とBHLを認め, 入院5日前の鎖骨上窩リンパ節生検でサルコイドーシスと診断された. 前日の日中まで呼吸器症状はなかったが夜から湿性咳漱と進行する呼吸困難を生じ, PaO2 54.5mmHgと急性呼吸不全のために緊急入院した. 胸部X線でBHLとびまん性の浸潤影がありCTでびまん性のスリガラス影と両側胸水を認めた. BALFではリンパ球増加とCD4/CD8比の高値を認め, TBLBでは胞隔に非壊死性の類上皮細胞肉芽腫がみられたことより, 肺サルコイドーシスによる急性呼吸不全と診断した. 直ちにステロイドパルス療法を施行したところ, 症状は劇的に改善し胸部の陰影も速やかに消失した. パルス療法終了後は無治療で観察したが再燃はみられなかった. 急性呼吸不全を伴う肺サルコイドーシス症例はまれであり報告する.

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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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