サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
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筋肉病変の自然消失後, 肝病変を認めたサルコイドーシスの一例
市川 裕久片岡 幹男尾形 佳子大森 雅一平松 順一谷本 安金廣 有彦中田 安成谷本 光音
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2004 年 24 巻 1 号 p. 71-76

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抄録
症例は42歳, 男性. 35歳の時に会社検診時の胸部X線にて両側肺門リンパ節腫脹と左上肺野の小粒状影を指摘され, 当院紹介となり, 経気管支肺生検よりサルコイドーシス (サ症) と診断された. 当院入院時に右大腿部に腫瘤を認め, 同部の生検にて筋サ症と診断した. 無治療で経過を観察したところ, 右大腿部の腫瘤は消失した. 2003年4月に背部痛のため近医を受診. 尿管結石を指摘され, その時の腹部CTで, 肝表面の著明な不整と肝・脾内部の多発性の低吸収域を認めたため, 精査目的で当院入院となった. 肝病変の精査のため, 腹腔鏡を施行したところ, 肝表面は地図状の白苔によりび慢性に覆われていた. 肝生検標本では, 非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めた. 以上より肝サ症と診断し, プレドニゾロンを40mg/日より開始したが, 不慮の事故で死亡した. 異時性に腫瘤型筋サ症と肝サ症を認め, サ症の多彩な臨床像を知る上で貴重な症例と考えられた.
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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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