サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
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サルコイドーシスにおける骨病変の臨床的検討
山口 哲生河野 千代子山田 嘉仁天野 裕子青柳 哲史
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2005 年 25 巻 1 号 p. 11-16

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抄録

過去10年間に経験したサルコイドーシスの骨病変の臨床的検討を行った. 頻度は416例中9例 (2.2%), 男女比は2:1であり, 無治療期間に4症例で再発を認め, 病変部位は手指骨7, 中足骨5, 足趾骨2と手足末端の短管骨のみであった. ほとんど骨病変は他の臓器病変が進展する経過中に発症した. 患者の訴えは疼痛8例, 手指の変形1例であり, 1例を除いて骨単純X線像による嚢胞状骨透亮像や骨梁減少像を確認できた. 骨シンチグラムとMRIは診断の補助となりうる. 手指骨病変においては「握手によって疼痛が増強すること (握手兆候)」は臨床的に有用な兆候と考えられた. 治療内容は, 手術のみで改善1例, 自然治癒1例, 鎮痛剤のみ2例, ステロイド治療5例であった. ステロイド剤は4症例において1年以内に中止または維持量とすることができた. 疼痛の続く例では積極的なステロイド治療の施行が必要であるといえる.

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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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