サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
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類上皮細胞肉芽腫を証明したサルコイドーシス516例における各種検査所見の解析
四十坊 典晴市村 志保伊藤 峰幸高橋 隆二重原 克則山田 玄大道 光秀平賀 洋明
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2007 年 27 巻 1 号 p. 29-35

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抄録

組織学的に類上皮細胞肉芽腫を証明したサルコイドーシス516例 (病期0, 150例; 病期1, 256例; 病期2, 86例; 病期3, 24例) において各種検査所見 (血清ACE, 血清リゾチーム, 血清免疫グロブリンG (IgG), ツベルクリン反応 (ツ反), 気管支肺胞洗浄 (BAL), ガリウム・シンチグラフィー) を診断時に行い, 異常の陽性率を解析した. BALはリンパ球比率とCD4/CD8比の少なくとも1つが異常な場合, 陽性とした. 全体ではACEが49.8%, リゾチームが51.7%, IgGが13.8%, ツ反が69.2%, BALが86.0%, ガリウム・シンチグラフィーが82.2%で陽性であった. 病期1と病期2ではIgG以外, 5つの検査で陽性率が高かった. 病期0の解析では, ACE, リゾチーム, IgGの陽性率が低く, ツ反, BAL, ガリウム・シンチグラフィーが50%以上の陽性率を示す重要な検査であった. 病期3ではBHLを有する病期1と病期2と比較しACEとガリウム・シンチグラフィーの陽性率が低かった. 病期0と病期3ではBHLを有する症例と比較し各種検査で陽性率が低く, 診断には組織学的証明が必要である.

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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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