1995 年 11 巻 2 号 p. 43-48
肝,腎機能障害などの全身的合併症を有する症例のストーマケアは難渋することが多い。今回,66歳男性で高度の肝硬変症を合併したオストメイトに対して施行したストーマケアについて報告する。ストーマのサイズは6.3×3.7cmと大きいスキンレベルのストーマであった。肝硬変症のための出血煩向が存在し,フランジとの接触によりストーマ粘膜より容易に出血し,既製の製品では十分なケアが行えず,便の混入による難治性皮膚障害を生じた。そこでウェハーをストーマサイズに合わせて作成し2段に重ねて圧迫,さらにペーストを併用することで良好な結果を得た。本法は簡便で有効な方法であると考えられた。