日本ストーマリハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2436-8806
Print ISSN : 0916-6440
11 巻, 2 号
11巻2号(通巻25号)
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
表紙・目次
連載講座
  • 進藤 勝久
    1995 年 11 巻 2 号 p. 1-5
    発行日: 1995年
    公開日: 2023/12/27
    ジャーナル フリー
     科学表現には自然で素直な平易な文章がよい。事実をありのままに書けと云うより,自分の考えや解釈に正直であれと云いたい。学術用語の定義を踏まえて理路整然と書く。暖味な抽象的表現や軽率な造語は避ける。また,もって回った表現や遠慮謙遜の表現も論文では好ましくない。
     主語述語の基本文型を守り,文と文を正しく接続して,分りやすい構成にすることはいうまでもない。そのために翻訳調にしないこと,接続助詞に気をつけること,区切り符号を上手につけることなどが肝要である。
     普段使っている慣用語や概念語には誤用があるので注意する。ワープロによる誤字脱字も許されない。最後に各章ごとに文構成や文法や漢字などの推敲をすることが必須である。
原著
  • 梶原 睦子, 八尋 華那雄
    1995 年 11 巻 2 号 p. 7-16
    発行日: 1995年
    公開日: 2023/12/27
    ジャーナル フリー
     一般の男女500名を対象とし、一般の人が持つ人工肛門に関する認識度とイメージについて質問紙により調査した。その結果人工肛門という言築は9割以上の人が知っていた。過半数の人はマスコミから情報を得ていたが正しい認識を持っている人は1割程度に過ぎなかった。人工肛門と癌の関連性を認識している人は約6割であった。多くの人は人工肛門を持つと動きの激しい事には制限があると考えており、"煩わしい""悲しい"といった否定的イメージを抱いている人が多いと推測された。また人工肛門やその生活についての認識度と肯定的イメージの間には相関はみられなかった。これらの結果を参考にして術前オリエンテーションを行うべきであると考えた。
  • 西出 薫, 塚田 邦夫, 田沢 賢次, 藤巻 雅夫, 宮崎 春美, 島野 香奈枝, 高畠 弘子, 太田 道子, 山崎 直美, 北本 静佳
    1995 年 11 巻 2 号 p. 17-24
    発行日: 1995年
    公開日: 2023/12/27
    ジャーナル フリー
     褥瘡の予防と治療に使用されるエアーマットの系統的分類や体圧分散値の客観的評価を目的として,市販のエアーマット13種を形状によって分類し,同一条件下における体圧値を測定・評価した。マットは形状より筒状分離型,筒状一体型および波状一体型の3型に分類した。健常者13名の仙骨部にTALLEY社製デジタル式体圧測定器を装着して各エアーマットの体圧分散の程度と時間的推移を評価した。全てのエアーマットにおいて全員のコントロール値よりも体圧が低く推移し除圧がなされていた。特に筒状分離型が体圧分散の程度において高成績であった。被検者の体圧値を経時的な変化でみると,圧が低めで変動の少ないもの、変動の大きいもの、圧が高めで変動が少ないものの3群に分かれた。
  • 久保 貴史, 五十嵐 正利, 吉川 隆造
    1995 年 11 巻 2 号 p. 25-33
    発行日: 1995年
    公開日: 2023/12/27
    ジャーナル フリー
     数種類の疎水性ポリマーの適切な組合せにより新しい尿路系ストーマ用皮膚保護剤を開発し、現在尿路系ストーマに多く使われている皮膚保護剤との物性の比較、及び健常者皮膚への貼付による比較試験を行った。その結果、今回開発した皮膚保護剤は下記の特長を持ち尿路系ストーマに適した皮膚保護剤であることが分かった。
    1. 吸水後、崩壊せず、膨潤による皮膚からの浮き上がりがない。すなわち、形状変形がほとんど見られない。
    2. 繰り返しによる剝離力の増加がない。
  • 大川 裕美子, 山尾 竹子, 石山 功子, 千葉 安子
    1995 年 11 巻 2 号 p. 35-41
    発行日: 1995年
    公開日: 2023/12/27
    ジャーナル フリー
     低位脊髄損傷により排便障害に難渋していた57才男性にストーマ造設を行なった結果,1年目の評価で排便,食事,日常生活,褥創の改善があり,QOLが向上したことを報告した。今回,その後約1年間の経過をふりかえり,以下の変化を知った。排便は患者の最も都合のよい時間帯に,より短時間で終了するようになり,セルフケアに関しても工夫をこらして上達した。また,排尿障害に対し膀胱瘻造設を受け,さらに精神的負担からも解放されつつあると思われた。同時に褥創も治癒したために,日常生活の活動に幅がもたらされた。
     本患者の経験から我々は,患者特有の状況や知覚脱失部位のストーマヘの対応方法が深く理解できた。QOL向上のためには,患者の個別性,精神的背景を十分理解した上での継続的ケアが重要であることをあらためて学んだ。
短報
研究会報告
地方会抄録(地域研究会記録)
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