1998 年 14 巻 1 号 p. 13-20
皮膚保護剤貼付によるストーマ周囲皮膚の生理機能の変化を皮膚温と血流量の変化から検討した。患者19例、健常者19例。貼付部の4ヵ所、粘着剤貼付部の4ヵ所、正常皮膚部3ヵ所の皮膚温および血流量を剥離直後、5分後、10分後に測定した。健常者は、貼付後24~48時間後に測定した。CMC系皮膚保護剤貼付部の皮膚温は、患者の正常皮膚温より約1℃高く有意差を認めた(p<0.001)。健常者の貼付部血流量は、CMC系がカラヤ系の2倍の値を示した。CMC系を長期間使用した患者は、10分後も正常の血流量に復することはなかった。短期間の使用でも、カラヤ系の皮膚反応性が低いことが実証された。