術後縫合不全による腹膜炎から創哆開し、小腸瘻を中に伴う縦28cm×横15cm の巨大開放創に対して、腸瘻部と創部を隔離するための創ケアを行うことにより治癒した症例を経験した。本症例では、感染に続発した壊死により腹直筋がほとんど欠損し、腸管が露出した中に小腸瘻を有する巨大開放創がみられた。①創の清浄化(クローズドサクションドレナージ法)、②開放創の治癒(ハイドロコロイドドレッシング材を用いた湿潤環境の維持)、③腸瘻閉鎖(ドレナージから耳鼻科用バルーン
®使用によるタンポナーデの試み)という3つの目的に沿ったそれぞれのケアを、創傷治癒過程に対応させて工夫し継続したことが二次治癒につながったと考える。
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