2000 年 16 巻 1 号 p. 69-78
永久的人工肛門の重篤な合併症は、いかに装具が発展した今日とはいえカバーできず、オストメイトを苦しめ、再造設を余儀なくさせることとなる。当院で再造設を行った症例は、41例でこれらの原因を見ると、狭窄・陥凹・脱出・ヘルニア・位置不良・基部穿孔などがある。再造設を必要とした例では、合併症の程度が強度であるのみならず、2つ以上の原因が併存している症例がほとんどである。これを防止するためには、初回手術時に可及的に理想的なストーマを作ること以外になく、それには正確な知識・技術に加え、また患者個人に合わせた微妙な調整が行え得る多大な経験を必要とする。