抄録
クリニカルパスに係わる背景として、スタッフの負担が増加すること、患者の評価が厳しくなること、空床ができてしまうことなど、医療提供側にとって厳しい問題はある。その上、安全管理を含めた医療の質向上と医療費削減のためには、クリニカルパスのような標準化ツールは不可欠な状況である。術後回復過程の速さや合併症など、オストメイトの個別性への対処として、ユニットパスという考え方を紹介した。医療記録などの電子化により、多様なユニットパスの運用が可能な環境が整備されてきている。ユニットパスは、早期から病棟と外来や地域との連携を組み込むことを容易にし、入院期間の短縮やバリアンスの対処に貢献すると考えられる。