抄録
〔緒 言〕
炎症性腸疾患に合併する壊疽性膿皮症の多くは下腿前面に出現することが多い。今回、再発するストーマ周囲壊疽性膿皮症(PPG)の1例に文献的考察を加え報告する。
〔症 例〕
45歳女性、昭和61年発症の潰瘍性大腸炎に対し副腎皮質ホルモンが投与されていた。平成10年10月下腿に壊疽性膿皮症が出現、同年12月肛門周囲膿瘍・直腸膣瘻を併発し、平成11年2月当院紹介入院となり、結腸全摘・回腸ストーマ造設術が施行された。平成12年1月よりPPGが出現し、同年3月絞扼性イレウスに対するイレウス解除術施行時に回腸ストーマを左下腹部に再造設した。術後、回腸ストーマ閉鎖部のPPGは治癒したが、平成13年10月回腸ストーマ再造設部にPPGの再発を認めたため、平成14年1月残存腸管病変の切除目的で直腸切断術を行った。術後PPGは瘢痕治癒に至った。
〔結 語〕
PPGには創傷治癒促進剤による局所療法に加え、ステロイド・TNF-α抗体・免疫抑制剤の投与などが有効と報告されている。外科的には、ストーマ再造設を行ってもPPGが再発する可能性が高く、残存腸管病変の除去が有効であると思われた。