2006 年 22 巻 1 号 p. 11-14
腹会陰式直腸切断術及び人工肛門造設術後、創感染により治癒が遷延していた老人性認知症患者に対し、長期入院期間の中でセルフケア指導を行ったところ、ストーマケアが自立した症例を経験した。老人性認知症患者のストーマケアは自立困難で他者が介入し、ケアを行っていくことが一般的であるが、本症例は、日常生活の中で患者のセルフケア能力を発見、その部分に着眼し、根気よく関わったことでセルフケアの確立を可能にした。また、長期入院期間で生活サイクルの再構築ができたため、ストーマケアが生活の一部分として定着したと考える。