抄録
現在のところウロストーマケアの方法についてはいろいろと検討されているが,ストーマ周辺の皮膚の変化について詳しく検討された論文は少ないと思われる。われわれは8例の回結腸導管術後ウロストーマ(装具使用期間は4~82ヶ月),8例の尿管皮膚瘻術後ウロストーマ(装具使用期間は1~85ヶ月)およびその周辺の皮膚変化について病理組織学的検討をおこなった。
その結果,ウロストーマ周辺の皮膚は術後12ヶ月ぐらいまでは著しい変化はみられないが,それ以後では表皮には角質化,肥厚,網状突起の延長や偏平,メラニン色素沈着が,真皮には炎症細胞浸潤,浮腫が認められた。原因としては尿が皮膚に接触することによる急性・慢性炎症と考えられ,よりよいスキンケアには尿を皮膚に接触させない事であり,この目的に合う装具の必要性を痛感させられた。