日本ストーマリハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2436-8806
Print ISSN : 0916-6440
原著
骨盤内臓全摘術後会陰部に瘻孔を形成した症例のスキンケア
立見 早智江紺家 千津子奥 雅世龍口 さだ子真田 弘美西村 元一
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1993 年 9 巻 1 号 p. 39-44

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抄録
 骨盤内臓全摘術後の会陰部に瘻孔を形成した症例を経験した。この症例ではpH8.0で1日約1500㎖の腸液の流出がみられたため,瘻孔周囲に発赤・びらんを生じた。またスキントラブルによる痛みのために夜間不眠を訴えることも多かった。この症例に対し,まず尿道バルーンカテーテルによるドレナージという方法をとった。しかし,患者はカテーテル挿入による違和感と臀部を汚染することによる不快感の苦痛を訴えていた。そこで,会陰部の瘻孔にインケアフィーカルを使用したところ,スキントラブルの改善が図れた。さらに,患者の臀部が汚染されるために生じていた不快感や痛みが軽減でき安眠できるようになった。以上のことより,会陰部の瘻孔のケアにパウチングが有効であると言える。
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