抄録
B. thuringiensis subsp. aizawai Bun1-14株が産生する双翅目殺虫性結晶タンパク質は、新規cry遺伝子であるcry39A及びcry40Aによりコードされ、そのすぐ下流にはorf2遺伝子(39orf2, 40orf2)が存在する。cry39A&39orf2及びcry40A&40orf2はCry4を代表とする分子量130kDa前後のCryタンパク質をコードする大きな一つのORFが二つのORFに分断されたような遺伝子構造をとり、上流側のCry39A及びCry40Aは大きなORFのN末端領域、下流側の39ORF2及び40ORF2はC末端領域に相当する。分子量130kDa前後のCryタンパク質のC末端領域はプロトキシンがプロセシングを受ける際、分解するために殺虫活性の発現には必要ないと考えられている。そこで本報告ではC末端領域に相当するORF2タンパク質の機能を調査することを目的としてcry39A及びcry40Aを単独または各 orf2遺伝子と共に非結晶産生Bt株内で発現させ、発現産物を解析した。また、40orf2 に順次終止コドンを導入し、これに伴う結晶の産生及び形態変化を観察した。