抄録
カイコ抗菌性タンパク質遺伝子の転写を活性化させる転写因子としてRelタンパク質 (BmRel A 及び B) cDNAが単離され、BmRel Bがアタシン遺伝子、BmRel Aがレボシン4遺伝子の転写を特に活性化することがトランスフェクションの実験により明らかになっている。BmRel Aの構造はBmRel Bと比較し、N末部分が52アミノ酸残基余分にあるだけで他は同一である。にもかかわらず、両者における選択的な転写活性化能を有することは大変興味深い。我々はこれらBmRel の欠失体を作製し、トランスフェクション法により転写活性化領域の同定を行った。その結果、BmRel Bによるアタシン遺伝子の活性化にはC末側に存在するプロリンに富んだ領域約80アミノ酸残基が、BmRel Aによるレボシン4遺伝子の活性化にはこのプロリンに富んだ領域に加え、N末の52アミノ酸残基の両領域が必要であることが明らかとなった。また、BmRel A のN末52アミノ酸残基は酵母の生体内においても転写活性化能を有することも確認できた。この配列は疎水性アミノ酸残基と酸性アミノ酸残基に富み、転写活性化領域に存在する典型的な配列の特徴を有することが分かった。