日本教科内容学会誌
Online ISSN : 2189-2679
家庭科教員養成における保育体験実習の効果
指導への意識の変化
室 雅子
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2024 年 10 巻 1 号 p. 37-49

詳細
抄録
大学の教員養成課程において,免許を取得しただけでは実際に授業を行うには知識・技術ともに不足しているのが現状である。特に保育分野は子どもを対象とした内容であり,自己が子育てをする機会を得るまでは接触体験を得るのは難しい。本研究では家庭科教員養成課程の保育学習に焦点を当て,家庭科教員になる直前の学生に教員になる者としての視点をもって保育体験実習・学習の機会を設けることによって保育の指導への意識にどのような変化や効果が得られるかを明らかにすることを目的とした。その結果,授業で話せる体験エピソードを得たり,教科書の内容を確認できただけでなく,指導内容に対する理解においてより客観的・社会的な広がりが見られた。同時に生徒指導の仕方や事前学習の重要さも理解されていた。これらの結果により,大学の参加型実習で体験不足を補完できる可能性が示唆された。
著者関連情報
© 2024 日本教科内容学会
前の記事 次の記事
feedback
Top