抄録
本稿は,「エネルギー」を柱とする領域の特徴的な見方を問い直し,電気分野における小学校理科と中学校理科の架け橋となる探究的な学びの実現をめざした実践的研究である。ICTを活用した小学校第4学年理科「電流の働き」の単元を構想・実践し,日本の探究的な理科教育に大きな影響を与えたDavid Hawkinsの言説から,架け橋となる探究的な学びの様相とその学びが生起するための環境づくりについて明らかにすることを目的とした。授業実践の中から,架け橋となる学びが生起したと考えられる場面を3件抽出し検討した結果,架け橋となる探究的な学びは,拙いながらも電流,電圧と抵抗の大きさの三者を関係づけながら「電流の働き」の概念を構築する学びであることが明らかとなった。また,その学びが生起するためには,ICTを主に「見えない世界を可視化する道具」と位置づけ,容易に予測できないことを他者と協働で探索できる環境づくりが重要であることが明らかとなった。