表面科学
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安全な社会と表面科学
建築物の火災被害軽減に向けた取り組みと課題
萩原 一郎
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2016 年 37 巻 3 号 p. 134-136

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抄録

阪神大震災(1995)では大規模な市街地火災,東日本大震災(2011)では津波火災による広範囲の被害が注目されたが,火災は毎年約5万件,2千人近くの死者をもたらす日常的な災害である。最近では,老人ホームや病院のように避難が困難な人が多い建築物や,個室ビデオやカラオケボックス,メイド喫茶といった新しい用途の建築物で発生した火災で多くの死傷者が発生し,社会の注目を集めている。技術の発展により人々の生活が変わり,建築物や都市の環境も大きく変化してきているが,火災による被害は様相を変えながら一定の大きさを保っていると言える。防火の研究者は,このような火災による被害を軽減するために,建築物が備えるべき火災安全を明らかにし,火災に関する現象の解明や被害軽減に有効な防火対策について研究を進めてきた。本稿では,これまでの防火研究の流れと,今後取り組むべき課題について紹介する。

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