固体,液体の表面で起こる光学的非線形現象(第2高調波発生SHG,和周波数発生SFG)を利用して表面をしらべる可能性について概説する。表面はバルクの構造が途切れているということのために対称性がおちて,反転対称が失われている。このためバルクではSHGが禁制であるような系でも表面ではこの禁制は解けている。 ここ数年さかんになりはじめた表面の非線形光学の研究について現状を紹介し,あわせてわれわれのグループでみつけた強い面内配向を示す色素薄膜についての研究経過をのべる。表面でおこる非線形光学現象は金属,半導体,イオン結晶,分子性結晶,さらには液体表面などの研究にも使われはじめている。