1992 年 13 巻 10 号 p. 587-594
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表面荒さや表面張力などの表面物理量と結晶粒の外形の熱平衡形(結晶平衡形)との関係を,結晶表面およびステップの「ゆらぎ」の統計熱力学により導く。ラフニング転移温度以下の微斜面をステップの多体問題として取り扱うモデル―TSK(terrace-step-kink)モデル―に基づき,結晶ファセット端でみられる結晶平衡形の「普遍的なふるまい」について説明する。結晶平衡形のファセット形(平らな小面の形)が,異方的ステップ張力によって決まる2次元平衡形であることを示し,このステップ張力の新しい計算法として,原子レベルのステップ凹凸を2次元格子上のランダムウォークとして取り扱う方法を紹介する。