表面科学
Online ISSN : 1881-4743
Print ISSN : 0388-5321
ISSN-L : 0388-5321
酸化物のエピタキシーと界面
坂東 尚周
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 15 巻 2 号 p. 79-84

詳細
抄録

エピタキシーは酸化物の成長において広く認められる現象である。エピタキシーは結晶成長における不均一核生成,成長を解明する重要な鍵を握っており,対象とする酸化物結晶が多様化するに従ってこれらの問題が少しずつ明らかになってきた。酸化物超伝導体という新しい物質群の登場によって,薄膜成長技術が進歩し,エピタキシャル成長に関する知見が飛躍的に増大した。ここではそれらの成果の一部であるが,筆者が興味をもってきた人工格子と関連し,(1)酸化物のエピタキシーの特徴,(2)RHEEDを用いた2次元核生成・成長機構の解明と表面構造,(3)界面における原子層の接合,(4)エピタキシーによる結晶歪,(5)界面の相互拡散について説明し,酸化物のエピタキシーがミクロに理解され始めた現状を紹介する。

著者関連情報
© 社団法人 日本表面科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top