学校ソーシャルワーク研究
Online ISSN : 2758-5018
Print ISSN : 1881-9788
論文
四年制大学におけるキャンパスソーシャルワーカーの評価に関する探索的検討
長沼 洋一長沼 葉月
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 15 巻 p. 65-77

詳細
抄録

本研究は,四年制大学の学生支援部門管理者の観点からキャンパスソーシャルワーカー(以下CSW)を配置した効果を評価し,それに関連するCSWの活動を明らかにすることを目的とする.全国の大学に対する質問紙調査データから,管理者とCSWのマッチングができた33ケースを分析対象とした.一日あたりの勤務時間が長いCSWや自殺予防・自殺対策の取組を行っているCSWはそうでない場合と比べて教職員による話し合いの増加や学生が学内の関連部署に繋がるといった効果を評価されやすかった.プランニングやモニタリングのためにケース会議を開く時間を割くことも効果評価に繋がっていた.自由記述の回答からも,個別支援にのみ力を注いでいると管理者からのアウトカム評価はあまり高まらないが,ケース会議を開いたり,学外の諸サービスや制度を活用したり,学内の運営委員会等で活動実績を報告することで評価が高まることが示唆された.

著者関連情報
© 2020 日本学校ソーシャルワーク学会
前の記事 次の記事
feedback
Top