抄録
本研究では,戦後英国の教育福祉サービスの発展過程を明らかにした.その結果,1950年代に生じた不適応児問題の深刻化により児童相談サービスが発展し,精神科ソーシャルワーカーの増加が必要であると認識された. 1960年代になると,それまで子どもの出席を管理する行政官であった「教育福祉官」を学校ソーシャルワークのキーパーソンとして配置することになった.「教育福祉官」は「福祉ケース」への対応を行うとともに,学校・教師と地域の社会サービスを連携する役割を担っていた.こうした中で,教育福祉官は英国全体で増員され広まる一方で,「教育福祉官」の専門性の確保が常に課題とされた. 1970年代以降,教育福祉官の専門性向上のために研修内容が体系化されていったが,ソーシャルワーカーの資格を有する教育福祉官は大きく増加することなく,現在に至っている.