学校ソーシャルワーク研究
Online ISSN : 2758-5018
Print ISSN : 1881-9788
論文
高校生のピアコーチ養成プログラムの介入効果検討
―学校ソーシャルワークにおける環境的アプローチの一過程―
米川 和雄
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2008 年 3 巻 p. 67-80

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抄録

本研究は,中学生を支援するシステム構築を目指した学校ソーシャルワークの環境的アプローチの一過程である.その目的は,高校生に実施したピアコーチ養成プログラム(週1回3.5時間を3回)の効果検討である.ピアコーチとは,エンパワーコーチングの基礎技術(基本的なカウンセリング,コーチング,ティーチング,アドバイスの技術)を用い,中学生を援助する高校生のことである.対象者は高校生で,実験群44名と統制群介入前25名・介入後27名である.対象者には,自己受容測定尺度,学校生活スキル尺度,健康度,生活満足度,そしてサポート数の回答を求めた.結果として,実験群のみ学校生活スキルの合計,その下位尺度である進路決定スキル,集団活動スキルとコミュニケーションスキルの向上が認められた.今後は,プログラムのさらなる精査とピアコーチが中学生に関わった効果を検討していく必要がある.

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© 2008 日本学校ソーシャルワーク学会
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