抄録
本研究の目的は,小・中学校の特別支援教育コーディネーターが担う校内及び校外の連絡・調整活動の実態調査より,特別支援教育コーディネーターが校外協働に際してスクールソーシャルワーカーの支援を必要としているかどうかを明らかにすることにある.調査は福岡県内の小・中学校の特別支援教育コーディネーターを対象にアンケート調査を実施した.502名より得られた結果では,校内にて教員によるケース会織を開催している比率は約8割と高率であったが,学校と関係機関によるケース会議の開催比率は半数程度であった.しかし,関係機関との校外協働はあまり行われていない状況にあった.この状況背最には,学級担任兼務による業務上の困難さが見られた.そして,約8割がスクールソーシャルワーカーの支援が必要と回答した.以上より,子どもの特別支援教育に際し,校外協働を推進していくうえでスクールソーシャルワーカーによる支援の必要性が見出された.