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Print ISSN : 0289-6540
数値表現法URRの評価
浜田 穂積
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1984 年 1 巻 3 号 p. 3_241-3_249

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抄録

電子計算機の内部で実数値を表現するための新しい表現法URR (Universal Representation of Real numbers)を先に提案した.これは実数値の区間に適用する2分法に共づいており,1から∞に向って,あるいは0に向って分割点が二重指数的に増大あるいは減少するように選ぶものである.ここではそのURRについて更に広い視野からの位置づけをし,かつより詳しく検討した. URRの特徴は次のものである.(i)オーバフロー,アンダフローが事実上起こらない.(ii)データ形式はデータの長さに依存しない.(iii)同じ長さの固定小数点表現と比べて,分解能に関して1ビットの不利に止まる.これらの点から,ディジタル装置に用いる数値表現として最適のものといえよう. 高次代数方程式のGraeffeの解法に適用して妥当な結果を得た.URRの演算論理は特に複雑ではなく,容易に構成可能である.

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© 1984, 日本ソフトウェア科学会
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