本研究は,インターネットの運用における本質的課題である「制御不能な他者」との協調と対立を実践的に学ばせることを目的とし,新たなネットワーク演習を設計・実践したものである.具体的には,自組織で管理可能なLAN環境と,インターネットの基盤を担い,予測不能な外部要素と相互に影響しあうBGPネットワーク環境を対比させる.仮想化技術を用いて学習者をISP運用者に見立て,(1) 閉じたLAN環境内でのインシデント対応,(2) 学習者同士が「他者」として相互に接続する仮想インターネットの構築と,そこでのインシデントの観測,(3) BGPハイジャックという「他者」による攻撃の体験,(4)振り返りと考察,という4段階の演習を設計した.これにより,学習者は「制御可能な世界」と「制御不能な他者と共存する世界」のリスク構造の違いを体感的に学ぶ.本演習を実践した結果,参加した学生および教員の双方から肯定的なアンケート評価が得られ,本アプローチが他組織との調整や倫理的判断を含む実践的能力の育成に有効であることが示唆された.
机上に映像を投影し,机上の実物体の説明や操作指示を行うシステムがこれまでに提案されている.多くの場合,矢印や記号類を投影することで指示を表現するが,小さな人間型キャラクタを表示して説明や指示をすると,利用者との対話感や共在感,楽しさを向上させることができる.しかし,投影する映像が平面の場合,キャラクタの方向指示精度に課題があった.本研究では,キャラクタを空中立体映像として投影することにより,方向指示精度の改善を図った.また線分を投影しての指示精度評価実験の結果,認識精度が有意に向上することが明らかになり,立体映像による指示精度の上限が示された.これにより,指示対象となる実物体が多数あるような環境における,空中立体映像の優位性が示された.
スマートグラスにおけるハンドジェスチャやハンズフリー入力手法において,日常動作とユーザの能動的な入力の切り分けは難しい.また,スマートグラスは軽量であることが望ましいため,ヘルスケアのために多種類のセンサを搭載することは難しい.そこで,本研究では眼鏡の左右の鼻あてに圧力センサを搭載し,耳介筋を用いて耳を動かす動作 (耳ぴく) を用いたハンズフリー操作に加え,瞬き,歩行および脈波を検出する手法を示す.提案手法は環境光,環境音などの外的要因に影響されない.7名の実験協力者を対象に,提案手法で脈波計測が可能か,従来の脈拍センサと比較した.また,耳ぴく,瞬き,歩行時のセンサ応答を計測し,SVMおよびランダムフォレストを用いてユーザごとの分類器と汎用分類器を生成し,それぞれの認識精度を評価した.その結果,ユーザごとの分類器では最大 98.8%,汎用分類器では最大 91.4% の F1 スコアが得られた.
Rocq's Monae library allows for the verification of computational effects in programs using monadic equational reasoning. Monae can currently handle various effects by supporting different monads, such as the state monad and the probability monad. However, it does not yet support non-structurally recursive functions. On the other hand, the Delay monad, which is defined coinductively, is known to be able to express general recursive functions. In this paper, we define an interface presenting the Delay monad as a complete Elgot monad and formally prove its soundness. This allows to verify programs containing while loops using Monae. Moreover, by combining it with other monads using monad transformers, it is also possible to verify programs that contain some additional computational effects in Monae.