1997 年 14 巻 1 号 p. 1_55-1_63
インターネットに接続する組織を侵入や攻撃から守るための,防火壁と呼ばれる防御システムが普及している.防火壁はIPルータと代理サーバの組合せで構成される.本稿では,防火壁の基本構成を概説し,電子技術総合研究所で開発され広く利用されている代理サーバである「DeleGate」について,そのマウント機能をはじめとする特徴的な防火壁機能を解説する.代理サーバの応用分野は,防火壁の構築に留まらない.応用プロトコルの中身を理解しながら中継する際にデータ変換やプロトコル変換を行い,付加価値を加えることにより,様々な応用可能性を持っている.広域網上での通信の効率化等の多様な応用例を挙げながら,今後の研究開発課題を述べる.