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Print ISSN : 0289-6540
画面遷移仕様のモデル検査
崔 銀惠河本 貴則渡邊 宏
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2005 年 22 巻 3 号 p. 3_146-3_153

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抄録

本研究では,Webアプリケーションなどの設計において必要不可欠である画面遷移に関する仕様を形式的に検証する手法を提案する.提案法では,画面遷移に関する仕様と画面遷移と連携したプログラム処理の流れを記述したフローチャート間の整合性をモデル検査法を用いて検証する.モデル検査法は,システムをモデル化した状態遷移系がシステムの性質を表現した時相論理式を満たすか否かを形式的に検査する手法である.提案法では,Webアプリケーションの画面遷移図とプログラム処理を記述したフローチャートからKripkeモデルを作成し,画面遷移の仕様を命題時相論理CTLで表現して,モデル検査を適用する.更に,提案法の有効性を確認するため,実際に存在するWebアプリケーションの設計仕様に対して適用実験を行った.実験の結果,デッドロックを含む幾つかの不具合を提案法を用いて短時間で発見できた.

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© 日本ソフトウェア科学会 2005
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