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Print ISSN : 0289-6540
ゲノムと論理:論理推論はバイオインフォマティクスを超えられるか?
小長谷 明彦
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2008 年 25 巻 3 号 p. 3_11-3_19

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抄録

ヒトゲノム計画が始動した1988年,第五世代計算機プロジェクトにおいて論理型プログラミングの応用の観点から遺伝子情報処理研究グループが組織された.20年の歳月が過ぎ,遺伝子解析において知識処理技術が再び注目を集めている.ゲノム配列をはじめとして,遺伝子関連データ(オミックスデータ) は,もはや人手ではその全体像を把握することすら困難なほど情報量を増している.ゲノム情報を個人の健康医療に役立てるには,医学,薬学,遺伝学,生化学に関する専門的知識を体系化し,専門家と同様な思考過程で仮説を生成し,仮説と観測データとの整合性の検証過程において知識創出を支援するフレームワークが不可欠である.本稿では薬物相互作用予測を題材に,ゲノムと論理を包括するフレームワークについて論ずる.

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© 日本ソフトウェア科学会 2008
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