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Print ISSN : 0289-6540
アジアにおける地域ASトポロジの発展の可視化
空閑 洋平長 健二朗中村 修村井 純
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2013 年 30 巻 2 号 p. 2_147-2_158

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抄録

本論文では,地理情報を考慮したAS (Autonomous System)トポロジの解析手法を提案し,実際の計測データを用いて,2004年と2010年のアジアにおけるASトポロジの成長の可視化による比較をおこなった.インターネットのグローバル化に従い,国際トラフィックは,対アメリカ中心から,アメリカ以外の国同士のトラフィックの比重が増加している.一般的にASトポロジ解析は,インターネットのマクロな構造把握に有効である.しかし,ASトポロジは,AS組織間の論理的な接続関係を表現したものであり,現状の解析手法のみでは地域ごとの構造変化の観察が難しい.本手法は,BGPルータの設置場所に注目することで,AS間接続拠点場所を推測し,本来独立している地理情報とASトポロジデータを対応付ける.アジアに注目した本提案手法の解析結果では,アジア各国の台頭の様子が明らかになり,地域インターネットの実態が観察可能になった.

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© 2013 日本ソフトウェア科学会
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