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Print ISSN : 0289-6540
高速障害復旧を実現する ISP/DCネットワークアーキテクチャの提案
鈴木 一哉伝宝 浩史
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2018 年 35 巻 3 号 p. 3_3-3_18

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抄録

ISPやデータセンターは,顧客のトラフィックを The Internetへと流すために,BGPを用いた経路制御を行っている.しかし,BGPにより交換されている経路数は,年々増加を続けており,2017年 3月の段階で 70万経路を超えたとの報告もある.これらの大量の経路情報は,各ルータの処理負荷に影響を与えており,特に故障発生時の経路切り替えに長時間を要する原因となっている.そこで本論文では,ISP/DCネットワークと The Internetを接続するリンク故障時の経路切り替えを対象とし,経路切り替え時間短縮への妨げとなるBGP仕様上の課題について検討する.これらの課題を解決するためのネットワークアーキテクチャを提案する.さらに,OpenFlowを用いて提案アーキテクチャを実装する際に課題となる多フロー同時切り替えを高速に実施する方式を提案する.日本全国をカバーするレベルのネットワークに提案方式を適用した場合,100万の BGP経路を 100ミリ秒未満で切り替え可能であることを示す.

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© 2018 日本ソフトウェア科学会
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