本論文では,ソフトウェアに含まれるバグを,行の粒度で予測することを試みる.提案方法では,ソースコードを探索するためのある大きさを持った窓を用意し,バグを含むソースコードの先頭から最後へ向けて窓をずらして走査を行うことで,バグを含む窓の集合と,含まない窓の集合を作成する.次に,各窓に含まれるソースコードのトークン列を入力として,各窓に対するバグを含む確率を出力とするスパムフィルタベースのバグ予測モデルを構築する.最後に,各窓に対する予測結果を統合し,各行に対するバグ混入確率を算出する.バグを 1 つだけ含むことが予め判明している 593 件のソースコード群を用いた実験の結果,窓の大きさを 3 行とした場合に,バグを含む確率が高いと予測された上位 10 行に全バグの 67.1% が含まれることが分かり,バグを行レベルで予測するという本試みの実現可能性を確認できた.