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Print ISSN : 0289-6540
Watts–Strogatz モデルに基づく大規模ランダムグラフの分散並列生成
神野 薫江本 健斗
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2020 年 37 巻 2 号 p. 2_34-2_45

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抄録

近年,SNS や Web グラフなどの大規模なグラフに対して,解析処理を行うプログラムの開発の需要が高まってきている.そのようなプログラムの性能評価にあたっては,特定の特徴をもった様々なノード数のグラフが多く必要となる.しかし,逐次プログラムによる大規模な性能評価用グラフの生成は,非常に時間がかかってしまい,また,メモリ不足の可能性もあり,望ましくない.これらの問題点を解決するために,大規模グラフ生成の分散並列化が望まれる.
本研究では,現実世界の大規模グラフに似た特徴を持つ,よく知られたグラフモデルの一つである Watts–Strogatz モデルに基づく生成の分散並列化を提案する.この際,分散並列環境として Hadoop MapReduce を用いる.分散並列化にあたっては,元の生成法に若干の制約を導入し,その効率化を図っている.そのため,提案手法が元のモデルに期待される特徴を保存していることも,理論的・実験的に証明する.

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© 2020, 日本ソフトウェア科学会
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