コンピュータ ソフトウェア
Print ISSN : 0289-6540
SafeG-M: ARMv8-M TrustZoneを利用した組込み向けデュアルOS実行環境
小森 工本田 晋也
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 41 巻 3 号 p. 3_97-3_114

詳細
抄録

組込みソフトウェアの大規模化・複雑化に伴い,高い信頼性を保ちつつ豊富な機能を実装する手法が必要とされている.プロセッサごとに機能を分割して実装する方法はコストや面積,電力等の観点から不利であるため,仮想化技術を利用して同一のプロセッサ上で複数のソフトウェアを動作させる試みが幅広く研究されている.特にARM社のTrustZone拡張は2種類のOSを動作させるデュアルOS環境を実現することができる.アプリケーションプロセッサにおいてデュアルOS環境に応用した例は多いものの,マイクロコントローラに対して適用した例は少ない.本研究ではTrustZone機能を実装したARMv8-Mアーキテクチャ上で動作するデュアルOS環境 SafeG-Mを提案する.提案手法は既存のリアルタイムOSに小規模な変更を加えることで実現され,評価実験においてわずかなオーバヘッドで動作することが示された.

著者関連情報
© 2024, 日本ソフトウェア科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top