2025 年 42 巻 1 号 p. 1_40-1_53
小規模組込みシステム向けFRP言語XStorm では,状態遷移モデルに基づいて時変値間の関係を動的に変更でき,状態依存動作を簡潔に記述できる.しかし,例えば消費電力削減のため,状態に応じて使用する周辺装置を切り替えるといった際に,C言語で書かれた周辺装置のドライバコード内で切替処理を書く必要があった.その結果,XStormプログラムとドライバコードの間のロジックの不整合が検出できない.本研究では,XStormの状態遷移モデルを発展させ,状態ごとに周辺装置の電源等の状態(モード)を宣言できるようにすることで,FRP言語内での周辺装置のモードの切替えも含めたロジックの記述を可能にした.これにより前述の問題を解決したほか,ランタイムによるモードの自動管理を行えるようになった.