2025 年 42 巻 4 号 p. 4_62-4_80
数十年にわたって稼働してきたシステムを刷新する,モダナイゼーションの需要は大きい.モダナイゼーションの失敗リスクを軽減する戦略として,システムの一部を切り出す段階的再構築が提案されている.しかし,企業においては,段階的再構築の費用対効果の試算は難しい.実際に我々の企業で段階的再構築を実施した事例では,計画当初の見積りと実績値の乖離が発生している.そこで本研究では,システムの依存関係分析を用いた段階的再構築の費用対効果を試算する手法を適用し,その妥当性を調査する.適用手法は,システムの規模と依存関係の情報を用いることで,費用として段階的再構築に必要な工数を,効果として削減可能な保守開発工数を試算する.調査では,依存関係分析を用いた試算結果と実績値を比較し,適用手法の妥当性を評価した.