コンピュータ ソフトウェア
Print ISSN : 0289-6540
卓上出版用ページ記述言語Post Script
石田 晴久
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1988 年 5 巻 4 号 p. 4_302-4_311

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抄録

PostScript言語は,もともとはレーザプリンタでマルチメディア情報を出力するための一種のページ記述言語として,1984年にAdobe社により発表されたプログラム言語である.この言語は,プリンタ側からみればFORTHなどによく似たスタック・ベースの制御用言語だが,ワープロやレイアウト用ソフトウェアにとっては,出力の形式を記述するひとつのデータ形式になっている.つまり,データ=プログラムの形となっているところにPostScriptの大きな特徴がある. このPostScriptのもうひとつの意義は,応用ソフトウェアの出力形式およびプリンタの制御方式を統一させるところから,卓上出版用のソフトウェアおよびハードウェアの標準化や互換性の向上をうながす面をもつことである.この言語形式はApple社のレーザライタおよびAldus社のPageMakerプヮグラムでその有効性が実証されて以来,業界標準のひとつになってきた. 現在PostScriptについては,日本語機能およびマルチウィンドウ機能のサポートという二つの側面で拡張が行われつつある.このほか,図形出力やネットワークにおけるマルチメディア情報の伝送をPostScriptで行うことも試みられている.今後期待されるのは,マルチメディア情報の画面表示やプリンタ出力がこのPostScriptの採用で標準化されることである.

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© 1988, 日本ソフトウェア科学会
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